祝田神社

祝田神社は兵庫県姫路市林田町上構199にある古社で、平安時代中期頃から「式内社」と呼ばれた長い歴史を持っています。祭神は罔象女命と高龗神。境内には松尾神社、天満宮、稲荷神社、粟嶋神社、三島神社、金刀比羅宮、聖神社が末社として祀られています。

一〇世紀に成立した『延喜式』神名帳揖保 七座のうちの「祝田神社」である。創建年代は不詳だが社伝では景行天皇以前と伝え、 林田の地名も祝田から転訛したといわれる。 祭神は罔象女命と高龗神。高龗神は貴船神と もいい、寛治七年(一〇九三)に当地が京都の賀茂別雷神社領の林田庄になった際に勧請 されたという。それにより貴船社と称されていた。祭神にちなんで神社背後の山を貴船山、 谷を美津波女谷と名付けられている。江戸時代は林田藩主建部氏の崇敬が厚く、 累代の氏神として社務は藩庁でとっていた。天保九年(一八三八) 藩主の命により毎年五 月に守護札を発行したという。藩主ゆかりの遺品も多く、境内には建部政宇・政賢・政醇 寄進の石燈籠がある。明治一六年社号を古代に復して祝田神社と し、同二三年社殿を再建した。(平成一四年九月 姫路市教育委員会:立て札より)

罔象女命(みづはのめのかみ)は、日本神話に登場する女神で、古事記では彌都波能賣神として、日本書紀では罔象女神として記されています。稚産霊(わかむすび)を生んだ母神であり、頭上に蠶と桑が生え、臍から五穀が生まれたとされています。日本における代表的な水の神さま。美しい乙女の姿をしているとされます。民間信仰における井戸の神さまともされ、越前(福井)では紙漉きの神さまとして信仰されています。また、岡山県浅口市鴨方町益坂にある大川神社や石川県金沢市有松にある倶利伽羅神社などで罔象女命を祭神としています。

高龗神(たかおかみのかみ)は、降雨・止雨を司る龍神であり、貴船神社の御祭神でもあります。また、「たか(高)」は山峰を意味し、「龗」は水をつかさどる蛇体の神とされています。日本書紀にも登場し、伊邪那岐命がその子軻遇突智を生んだ際に、高龗神が誕生したとされています。

式内 祝田神社(兵庫県たつの市揖西町清水)も存在し,上構「祝田神社」と共に式内社「祝田神社」の論社となっています。また,『播磨国風土記』には美嚢郡の高野里に鎮座する祝田社もあり,ここは三木市本町に鎮座する「大宮八幡宮」に比定されているとのこと.

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