矢田の宝篋印塔

宝篋印塔は五輪塔とおなじで仏塔の一つ.もともとは宝篋印陀羅尼という経典を納めるための経塔で,供養塔や墓碑塔としては五輪塔が50年以上前に亡くなったかたをお祀りするのに対し,宝篋印塔は100年以上前の方をお祀りする(右繞三匝)ものらしい.

中国からの伝来後日本で独自に発展した塔。相輪,笠(四隅に隅飾),塔身,基礎,基壇からなる.

「矢田の宝篋印塔」

岡山市指定重要文化財(昭和53年1月20日指定).

この宝篋印塔は花崗岩製で、塔の各部がそろって初源のままで存 している。基礎部の背面に「貞治五年(一三六六)四月十三日」の銘が読み とれ、南北朝時代の古塔である。塔身の正面には阿弥陀如来坐像、また右側面には地蔵菩薩立像 がうきぼりされている。 このように塔身の二面に仏像彫刻をほどこして いるものは県下でも珍しい。全長一七三センチメートル、南北朝時代の特色をよく示し、すっきりした姿は美しく、同時代の典型的な宝篋印塔である。(平成26年3月,岡山市教育委員会)

「矢田の」,矢田は何に由来するのだろうね.人名?あるいは別の「矢田」と呼ばれる場所から移動されたもの?ちなみに今ある宝篋印塔は市指定文化財に指定された後県の工事で40メートル移動して現在の位置にあるらしい(矢田の宝篋印塔所在地発掘調査報告).

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